関係機関・地方公共団体・大学等の取り組みや研究 / D-11 早稲田大学地盤工学研究室のICT土木に貢献する研究開発
画像解析・加速度応答を活用した締固め土工の簡略化技術
・自動振動締固め模型実験装置
・分光情報に基づく土の含水比の迅速評価
本展示では、人材不足の対応や業務の効率化に念頭を置いたICT土木の推進に資するため、加速度ICタグセンサーによる締固め中~締固め完了までの加速度応答変化や、分光情報による土の状態量変化の把握といった、土工における締固め管理の高度化・効率化に寄与できる地盤工学的検討を紹介します。
①自動振動締固め模型実験装置
現行の締固めでは、締固めた土全体の乾燥密度を測定できないため、一部をサンプリングして計測しています。この時、サンプリングに時間を要することや、完成した地盤を破壊する必要があること、測定点数が限定されるという課題があります。そこで、締固め機械が発する振動を加速度ICタグセンサーにより取得し、STFT解析することで、施工エリア全体の地盤剛性を測定しようとする、振動ローラー加速度応答法が開発されてきました。本展示では、それらを室内試験に応用し、礫や石を含む地盤の締固め試験や、新たにランマと呼ばれる建設機械に本システムを組み込むことを目指して実験を行った内容について紹介します。
②分光情報に基づく土の含水比の迅速評価
締固めにおいては土の含水比管理も重要です。土質材料表面の分光情報から、含水比等の状態量を簡易かつリアルタイムに推定可能な方法の開発に向けた実験的検討についても紹介します。赤外分光光度計から得られる赤外分光スペクトルや,分光カメラから得られる分光画像より試料表面の分光情報を取得しました。その結果、赤外分光法により水分子の振動による吸収帯を測定したことで、赤外分光スペクトルと含水比に関係があることがわかり、含水比を推定できる可能性が明らかとなりました。また分光画像も含水比に関係があることが分かり、含水比測定の迅速化に寄与できる可能性が示唆されました。
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