防災・減災、国土強靱化、インフラ長寿命化技術 / A-33 グラウンドアンカー緊張力点検の効率化を図る「VIBRES(ビブリス)システム」
緊張力測定に振動を用いることで、点検作業の効率化と安全性向上を実現
アンカーの自由長部に小型バイブレータを取り付け、スウィープ振動を加えることでテンドン自由長に固有振動を励起し、その周波数から緊張力を測定する技術
グラウンドアンカー(以下、アンカー)は、緊張力によって斜面やのり面の安定化を図るもので、維持管理が必要な構造物です。従来の緊張力測定には、油圧ジャッキを用いたリフトオフ試験が行われていましたが、足場や大型機材が必要な試験で、これに代わる簡易で安価な方法が求められています。
本技術は、アンカーのテンドン自由長(PC鋼より線)が、アンカー頭部と定着部の2点で固定された「弦」として振動することに着目したもので、その振動は、緊張力とテンドン自由長の長さに応じて変化する固有振動周波数を持っています。本技術では、小型バイブレータによってアンカー余長部に時間とともに徐々に周波数が高くなる「スウィープ振動」を加え、地盤内にあるテンドン自由長の固有振動を発生させ、その周波数を加速度計で読み取り、長さ、密度、周波数の物理式によって緊張力を算出するものです。1回の測定時間は60秒~120秒と従来の方法に比べて短く、測定機材も軽量・コンパクトで、維持管理の効率性および安全性の向上を実現します。
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